【シチズンシップ】ふれあい科学実験教室を実施
3月27日(金)福島県いわき市 「梨の実サロン平」を訪れ,ふれあい科学実験教室を
開催しました。今回の活動は,「春休みに何か復興支援のボランティアをしたい」という
生徒の一言から始まりました。
2月の半ば,水戸生涯学習センターに相談し,大熊町役場を紹介してもらい,連絡を取り
合う中で 実現の運びとなりました。準備期間1ヶ月。サイエンスアカデミーの生徒を中心
に,自分たちにできること, 楽しんでもらえることを考え,3つの実験を行うことを決め
ました。
「大熊町梨の実サロン平」は大熊町民の交流拠点として,2ヶ月前の1月25日に開所し
ました。 大熊町が県内3カ所に設置を計画しており、ここ平のサロンが初の開設のようで
す。いわき市には 大熊町民約4200人が避難しており,借り上げ住宅や一戸建て住宅で
避難生活を過ごしている 町民の孤立を防ぐための「コミュニティー拠点」を目指している
そうです。
いわき市内で見られた看板
7時30分に出発し,9時過ぎに到着
到着後のミーティング 3班に分かれて準備開始
ラムネ班はクエン酸と重曹を用いラムネを作る実演
身近な材料で簡単に美味しく作れるため,自宅でも作ってみると言ってくれました。
カルメ焼き班はマニュアル通りの分量で加熱してもなかなかうまくいきません。
砂糖が少なすぎると指摘され, 作り方を教わりながら地域の方と一緒に工夫をして
いきます。その結果・・・
完成
ガラスエッチング班は,シールが不足していることに気づき,急遽別室で作成。
この日を楽しみにしてくれており,ガラスに描きたい図柄を持参した方もおられました。
短い時間でしたが,楽しんでもらえました。
その後,海岸の方へ足を伸ばし,復興の現状を視察しました。
4年が過ぎても,海岸整備はまだまだ時間がかかりそうです。
津波の直撃を受けた中学校校舎。
市では保存を検討したそうですが,地元住民の要望で取り壊しが決定しました。
1月15日にグランドオープンした,いわき市平豊間地区の復興商店街「とよマルシェ」
に立ち寄りました。 津波で大きな被害を受けたこの地区では,自分自身と地域の復興を目指して再起をかけています。
とよマルシェには「B&Bきゅういち」「中華はまや」の飲食店2店舗と,野菜などを扱
う「ベジタブルShiGa」, 鮮魚店「ウロコジュウ」が入居する。ウロコジュウのご主
人は,以前はカスミや京成百貨店にも加工品を卸して おり,茨城にも何度も来られたそう
です。津波で工場が被害を受け,現在は地域のニーズに合わせ,総菜など すぐ食べられる
ものを中心とした品揃えをし,お年寄りのために配達も行っているそうです。
同じ敷地内に,ふるさと豊間復興協議会の事務所があり,お話を伺うことができました。
津波は,いわき市内で最大の8.57メートルに達し,全壊家屋は72%と激しい被害を
受けました。現在,高台造成・ 平地の嵩上・道路の拡張を行っており,拠点地区の基盤を
造っているところのようです。また,2014年10月に公営 住宅(192戸)が完成
し,その周囲に50本のサクラの木を植樹したそうです。
今回の福島訪問で,まだまだ完全な復興には時間がかかると感じました。「我々にできる
ことは何か?」を考えさせ られました。帰りのバスの中で,植樹を手伝いたいとか,花の
苗を届けていきたいとかいくつかの意見が出ました。
次の企画の芽が出始めています。